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ジュエリーサショウ
佐生 真一(金工)
その手が、小さな皿の中に金属を入れる。
2000℃の熱を与えると、
金やプラチナの地金が皿の中で液状になり混じり合う。
その様は神秘的で、まるで小さな宇宙のようだ。
錬金で地金づくりから手がけるジュエリー工房は少ない。
三代に亘り、錬金、鍛金、彫金を手がける工房には、形見の品の再生といった依頼も多く舞い込む。
そのたびに、この手は思いをつなぐために小さな皿の中に美しい宇宙をつくり、地金に新しい形を与えてきた。
世界に一つしかない、煌めくジュエリーを手にしたときの人々の笑顔を思いながら、今日もこの手は、小さな宇宙をつくりだしている。
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